【要約】オニールの成長株発掘法「CANSLIM」の「C」について
CANSLIMとは
初めにCANSLIMとはオニールが提唱している銘柄スクリーニング法で、それは長期にわたって継続して上昇する確率が高い企業を機械的に選び出す手法のことである
そんなCANSLIMの素晴らしいところは、
- 時を経てもその有効性が保たれるところ
- このルールは米国株式市場のみならず世界各国の株式市場でも同じように通用するところ
- これは個人投資家向きの投資方法であること
そんな最強の投資手法ともいえるCANSLIMの「Ⅽ」について今回はオニールの成長株発掘法をもとに解説したいと思う。
CANSLIMの「C」について
第一にCANSLIMの「C」は「Current Quarterly Earnings」の頭文字で日本語で「当期四半期のEPSと売り上げ」という意味である
1990年代に上昇したシスコシステムズ(1467%)、アメリカオンライン(557%)
2000年代に上昇したグーグル(823%)、アップル(1683%)
オニールは毎日何千という銘柄が取引されている中、なぜこれらの銘柄のみが、これほどまでに上昇しているのか疑問に思いその共通点を探すことにした。
そして、オニールたちが過去125年をさかのぼって大きく上昇した銘柄について研究をするとある共通点が見つかった。
その中でも特に際立っていたのが、株価が大きく上昇する直前の1~2四半期で報告された収益だった。
例を挙げると
- シスコは3年間にわたる株価上昇をする前に1990年10月までの2四半期連続でEPSを150%と155%とに増加させた。
- アメリカオンラインは1998年の6か月の上昇の前にEPSの900%増と283%増を達成していた。
- グーグルは公開会社として登場する前の2四半期で、EPSを112%と123%増加させていた。
- アップルは株価が上昇する直前の四半期で、EPSを350%増やし、そのよく四半期にはさらに300%増を記録した。
しかしこれは、この時期だけの現象ではなく、アメリカの長い株式市場の歴史をひも解くと、株価の急成長には必ず劇的なEPSの増加が伴っているのだ。
当期のEPS増加が大きい銘柄を探す
株を買うときは、当四半期(最新の決算が発表された四半期)のEPSが前年同期比で、大きな伸びを示している銘柄を選ばなくてはいけない
しかしここで注意点があるそれは、紛らわしい決算発表に騙されないことだ。
こんな四半期決算報告書を目にしたことはあるか?
「当社の第一四半期は目も当てられない状態でした。本社の非効率が原因で、収益予想は悪化しています。さらに、経営陣がヘマしたため、中西部における事業運営は大赤字になりそうです。」
こんな決算書は絶対にないだろう。代わりに目にするのは
「当社は3月31日締めの四半期において前年同期の600万ドルから20%上昇して720万ドルという記録的な売り上げを達成しました。そしてさらにEPSも前年同期比5%の上昇を達成しました。」
こんな報告書であろう。
この会社の株主にとってはいい知らせかもしれない
しかし、ここで皆さんは疑問に思わなければいけないのだ
「売り上げが20%も上昇したのにどうしてEPSは5%しか上昇していないのだろう」と
投資家として成功したいのなら当期四半期のEPSは前年同期比でどれほど伸びたのか?
と質問を投げかけることが重要である。
例えばあなたの投資する企業の「売り上げ」が10%伸び、純利益は12%伸びたとしよう。
これはあなたにとって必ずしもいい知らせとは限らない
なぜならあなたはその企業のすべてを所有しているわけではなく一部を所有しているだけにすぎないのだから。
過去12か月にその企業が新株を発行したかもしれない、あるいはそのほかの方法で株の価値が希釈化されたのかもしれない。
だから「売り上げ」や「純利益」という言葉に気をとられて、一番重要なEPSという事実を忘れてはいけない
明確に説明すると
企業のEPSは季節性による変動の影響を排除するために、直前の四半期ではなく前年の同期四半期と比べること
一度きりの特別利益は無視する
例えば、パソコンメーカーが不動産を売却して得た臨時収入を含めた場合、この収益は決算発表から差し引いて考えるべきである。
そのような一時的な出来事の結果現れる収益は、すべて無視すること。
当期EPSの増加率に最低目標を設定する
初心者でも経験豊富な投資家でも直近の四半期EPSが前年同期比で18~20%くらいの上昇しかしていない銘柄は買いを控えた方がいい。
成功している投資家の多くは、EPS増加率の最低目標を25~30%に設定している
さらに成功率を上げるためには、過去2四半期続けて大幅にEPSが増加している銘柄を選ぶ
オニールは強気相場では40~50%、あるいはそれ以上に設定している
銘柄選択をさらに厳しくするならば、次の四半期及び、その次の四半期まで見越してその前年同期のEPSを見る
その時、
- 前年のEPSが例外的に大きかったり、小さかったりしていないか確認する。
- EPSコンセンサス予想を今後1~2年先の四半期分まで必ず調べて、その企業が上昇軌道に乗ると予想されているか確認する。
当期四半期のEPSが大きく増加していることを銘柄選択の必須条件に加えることは、誤った銘柄を選択するリスクを減らしてくれる。
しかし、強気相場の後半では長期にわたって上昇を続けていた多くの主導株の中にはEPSの増加率が100%を超えているにも関わらず、株価が頭打ちするものも出てくることを理解しなければいけない。
これには投資家もアナリストもいつも騙される。
当期EPSが急増した企業を探す
EPSが増加したことや、その増加率が大事なのではなく
その企業のEPS増加率が以前よりも改善されていることが重要なのである。
年間EPS増加率15%の企業が突如として、40~50%あるいはそれ以上に躍進を始めたら、上昇のための常用な基礎的条件が整ったことを意味している。
逆に、年間EPS増加率100%の企業が、90%に下がったら、あまりよくない状況になっったと理解できる。
これ以外にも
- 過去数か月の間にアナリストが企業の予測を何回上方修正したか
- 最近の四半期決算発表が実際にアナリストの予想をどの程度上回ったか
などもEPSを判断する材料となる
EPS増加に加えて売り上げが増加した企業を探す
四半期EPSが勢いをつけて上昇していても、
- 売り上げが直近の四半期に少なくとも25%以上増加している
or
- 売り上げ増加率が直近3四半期で加速していること
が最低条件である
また、売り上げと収益の両方が過去3四半期で急速に伸びだした銘柄は特に注目
そのような銘柄は利確したくても我慢し、しばらく保有するのである。
2四半期連続でEPSが減少したときは注意
EPS増加率が失速し始めている銘柄や、著しく減少した銘柄を認識することは上昇を認識することと同じくらい大事なことである。
例えば毎四半期ごとに50%に増益を見せていた企業が、突如15%の増益にとどまるようなことがあれば、その銘柄は何か問題を抱えていることになる。
ただし、どんな優れた企業でも、一時的に業績が振るわないことはある。
そのため、EPSが悪化したと判断するのは2四半期連続で著しく増加率が減少した時である。
具体的には前回の増加率の3分の2以上の減少を目安にする。
同業他社の銘柄を確認する
銘柄選択の質をさらに向上させるには狙っている銘柄と同じ産業に、強いEPSの増加率をを示している、目を引く企業が少なくとも一つなければ正しい銘柄選択をしていない可能性が高い。
まとめ
CANSLIMにおける「C」とは四半期のEPSを見ることであった。
- 当期のEPS増加が大きい銘柄を探す(企業のEPSは前年の同四半期と比べること)
- 一度きりの特別利益は無視する
- 当期EPSの増加率に最低目標を設定する(最低EPS増加率:25~30%)
- 過去2四半期続けて、大幅にEPSが増加している銘柄
- 当期EPSが急増した企業
- EPS増加に加えて、売り上げが増加した企業
- 2四半期連続でEPS増加率が減少したときは注意
- 同業他社のEPS増加率が強いこと
最後に、今回の「オニールの成長株発掘法」をまだ読んだことがない方は必ず読んでください。
投資をするうえで知っておかなければいけない知識が詰まってます。
私は皆さんが少しでも幸せになれることを祈っています。